リハビリテーション科

リハビリテーション科

地域の中核病院として急性期リハビリテーションを主に、超早期の整形外科疾患、脳血管疾患だけでなく心臓疾患、呼吸器疾患、がん患者に対するリハビリテーションまで幅広く対応しています。現在リハビリテーション科では沼沢部長、大石部長2名の医師を中心にリハスタッフとして理学療法士(PT)が22名、作業療法士(OT)が8名、言語聴覚士(ST)が5名、が従事しています。
急性期のリハビリテーションとして、周術期のリハビリを含め、入院直後から早期に開始し早期離床、早期回復を目ざしています。我が国のリハビリテーションも専門化が進んでいます。当院でもリハスタッフは心臓リハビリテーション指導士(4名)、3学会合同呼吸療法認定士(5名)、糖尿病療養指導士(1名)、認定理学療法士(3名)、リンパ浮腫療法士(1名)、骨粗鬆症マネージャー(2名)の認定を受けています。さらにがん患者のための「がんリハビリテーション研修会」には14名のスタッフが参加し対応するなど充実した体制作りをしております。

理学療法部門

理学療法部門では運動器チーム・脳血管チーム・救命救急チーム・心リハチームの4つにチーム分けし、全ての患者さんに充実したリハビリテーション医療を提供するために、それぞれ専門的な資格を取得するなど知識・技術向上のために取り組んでいます。チーム分けをすることで病棟ごとの対応が多くなり、専任の医師・看護師と内容の濃いカンファレンスを実施するなど密な情報交換が可能となりました。そして各々の患者さんに対して多職種が同じ治療方針を共有することで、さらにより良い患者サービスを提供できるようになりました。特に運動器チームでは骨粗鬆症リエゾンサービスへの取り組みに力を入れており、整形外科医師や理学療法士を始め看護師、薬剤師、管理栄養士等が中心となって薬物治療、運動療法、栄養指導の介入を実施、その成果について全国学会等で発表するなど活発になされており、2020年5月には国際骨粗鬆症財団(IOF、本部はスイス)よりSilver medalという国際的にも名誉ある認定を受けております。

作業療法部門

作業療法部門では、主に急性期の身体障害者領域の作業療法を実施しています。対象は脳血管疾患が約半数の50%、運動器疾患10%、廃用症候群30%、癌・呼吸器疾患・心大血管10%となっています。脳血管疾患は発症早期より開始し、リスク管理を行いながら早期離床、機能訓練、日常生活動作の介入、高次脳機能評価訓練を行っています。整形外科疾患は主に頸髄症、頚髄損傷、骨折の他手の外科に対しては主治医との連携を特に密にし、スプリント作製、早期運動療法を実施しています。また、乳癌の周術期リハについては全摘の場合はリンパ節郭清の有無にかかわらず、全患者の術前評価と術後運動指導を実施しています。リンパ節郭清となった患者に対しては作業療法士が入院中と退院後に「リンパ浮腫指導」を行っています。当院にはリンパ浮腫療法士が2名(Ns1名・OT1名)在籍しており、リンパ浮腫外来へのスムーズな移行が行われています。

言語聴覚療法部門

言語聴覚療法部門では、失語症・構音障害などのコミュニケーション障害や、注意・記憶・遂行機能などが障害される高次脳機能障害、飲み物・食べ物が上手く飲み込めなくなる摂食嚥下障害の患者さんに対して訓練・指導を行っています。多職種とのチーム活動としては、整形外科の骨粗鬆症リエゾンチームの活動に参加し、口腔機能評価で医科歯科連携の一翼を担っています。また、がん治療で入院となった患者さんへの介入も行っており、幅広い疾患、症状に対応しています。
~口腔ケア・摂食嚥下チームの活動~
 耳鼻科医師1名、歯科医師2名、歯科衛生士2名、看護師2名、薬剤師1名、ST5名のメンバー構成で活動を行っています。定期的なチーム会議や院内研修会の開催、食事開始プロトコルの活用等で摂食嚥下障害の患者さんにチームで介入していく体制を取っています。