所属長挨拶


医療技術局リハビリテーション科技師長
西塚 恭子
当院は、救急救命センターを備える三次救急病院であり、脳卒中や事故による外傷の他、多くの重症患者に対して早期からのリハビリテーションを提供しています。超早期の脳血管疾患、整形外科疾患だけでなく心不全や心筋梗塞等の心臓疾患、呼吸器疾患、また周術期を含めたがん患者など、リハビリテーションの対象になる患者は多岐にわたっています。 2023年度は、沼沢部長、大石医長を中心に理学療法士28名、作業療法士12名、言語聴覚士5名の計45名で対応しています。理学療法においては、チーム制を導入しており、2022年からは「脳血管・救命チーム」「運動器チーム」「内部障害チーム」の3チームで、それぞれ専門的な技術の提供を行っています。 リハビリテーション科では、定期的に各科・病棟とのカンファレンスを実施し、医師・看護師・他職種との情報交換を行い、治療方針・目標を共有しています。その他、「栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)」「摂食嚥下サポートチーム(SST:Swallowing Support Team)」「排尿ケアチーム」などへも積極的に参加しています。2023年4月からは、「早期離床リハビリテーションチーム」へも参画し、集中治療室・救命救急センターにおいて多職種による総合的な離床を行っています。このように、多職種で協同しながらチーム医療を進めています。また、当院退院後さらにリハビリテーションが必要な場合は、近隣の病院への情報提供を行うなど、地域との連携も密に行っています。 リハビリテーションの処方数は年々増加しており、リハビリテーション科のスタッフ数もここ10年で約3倍になりました。その4割は20代であり、経験年数10年以下が7割を占めるなど多くの若いスタッフが活躍しています。新人スタッフは、オリエンテーション後、各部門・チームへ配属となります。プリセプター制度を導入しておりマンツーマンでの指導を行い、定期的な面談、チェックシートにて、進捗状況をお互いに確認しています。また、院内の感染対策講習会・医療安全講習会の他、リハビリテーション科内での吸引講習会・BLS講習会、勉強会、各部門・チーム内でのケースカンファレンスの開催など、新人スタッフも安心して働けるような体制を整えています。その他、研修会や学会への参加、専門的な資格取得など各種支援も行っております。 今後も超早期からの充実したリハビリテーションを提供するとともに、スタッフ自身が健康で、働きがいのある職場環境づくりを目指していきます。

業務紹介

理念

地域中核病院・急性期病院として、早期より質の高いリハビリテーションを提供するとともに、地域医療連携の構築を目指します。

基本方針

1.安全で良質な、急性期リハビリテーションを提供します。
2.患者中心の、満足度の高いリハビリテーションを提供します。
3.他部門との連携を図り、効果的なリハビリテーションの提供を目指します。
4.専門職として、常に研究心を持ち自己啓発に努め、リハビリテーション医療水準の向上を図ります。
5.地域の医療施設との連携を構築し、リハビリテーション医療の質の維持・向上と継続を図ります。
6.職員相互に信頼しあい、働きがいのある職場作りを目指します。

施設基準

脳血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)
運動器リハビリテーション料(Ⅰ)
廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)
呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)
心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)
がん患者リハビリテーション料(Ⅰ)
摂食機能療法
リンパ浮腫複合的治療料

対象疾患

整形外科疾患: 骨折、変形性関節症、頚髄損傷、頚髄症、肩腱板断裂、切断、末梢神経損傷、腱損傷など
脳血管外科疾患: 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳外傷、脳炎、急性脳症など
神経内科疾患: 多発性神経炎、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、運動ニューロン疾患、多発性筋炎など
心臓血管疾患: 急性心筋梗塞、開心術後、大血管疾患(大動脈解離、解離性大動脈瘤、大血管術後)、慢性心不全など
呼吸器疾患: 慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、肺炎、無気肺など
がん関連疾患:
その他: 廃用症候群(長期臥床により廃用をきたした方)                     など

部門紹介

理学療法部門(PT)

座る・立つ・歩くなどの基本動作能力の回復や維持、および障害の悪化予防を目的に、運動療法や物理療法などを用いて、自立した日常生活が送れるように支援します。

作業療法部門(OT)

運動や感覚・知覚、心肺や精神・認知などの心身機能の基本動作能力や、食事、整容、トイレなどのセルフケア・家事などの応用的動作能力の維持・改善を目的に、様々な作業を通じてその人らしい生活の獲得が出来るよう支援します。

言語聴覚療法部門(ST)

失語症、高次脳機能障害、聴覚障害などのコミュニケーションに問題のある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築出来るよう支援します。また摂食・嚥下の問題にも専門的に対応します。

キャリアパス

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士になるためには、高校卒業後、養成校で3年以上学び必要な知識・技術を身につけ、その後国家資格を取得し厚生労働大臣の免許を受ける必要があります。養成校には4年制大学・短期大学(3年制)、専門学校(3年制・4年制)があります。言語聴覚士は、一般の4年制大学卒業者の場合は指定された大学・大学院の専攻科または専門学校(2年制)を卒業する事で受験資格が得られます。

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